フリー(無料)のリモートセンシング画像処理ソフトウェアRSPのサイトです

RSP

リモートセンシング画像処理ソフトウェア『RSP』とは

 リモートセンシング画像処理ソフトウェア『RSP』は、リモートセンシングの実務(コンサルティング)や、大学及び専門学校のリモートセンシング教育・研究に使用されているフリーソフト(無料)です。
 RSPは、他のペイント系ソフトウェアでも衛星データが利用できるように、衛星データをビットマップ又は汎用フォーマット(RAW(RSPにおいて、RAWはヘッダ無し汎用フォーマットのことを指します))に変換して表示するフリーのリモートセンシング用の画像処理ソフトウェアで、Windows上で動作します。
 元々、作者が実務(衛星データを使ったコンサルティング業務)で使用するために作成したソフトであるため、実務での使用や研究・教育等で使用できるように、画像データ(数値)を解析・把握できるメニューがそろっています。
 流通している衛星データをビットマップファイルに変換して使用できるため、画像処理用に使用しなくてもフォーマット変換ツールとして利用することができます。
 また、最尤法やK-means法による土地被覆分類画像作成や、パンシャープン処理、国土地理院のDEM画像処理等の高度なリモートセンシング関連の画像処理ができます。
 RSPでは、放射輝度や反射率等のビットマップで表すことができない浮動小数点データは、RAW(ヘッダ無し汎用フォーマット)ファイルとして扱うことができます。また、ビットマップファイルとRAWファイルの変換機能も備わっています。
 さらに、ビットマップファイルとRAW(ヘッダ無し汎用フォーマット)ファイルともに、GeoTIFFやTIFFに簡単に変換(保存)することができます。このため、GeoTIFF作成のフリーソフトとして使用することができます。
 また、エクセルデータ(CSVデータ)を画像化したり、画像をエクセルデータ(CSVデータ)に変換することもできるため、エクセルによる画像処理との併用にも対応しています。
 RSPは、当ホームページより入手することができます。
 RSPの操作方法を知るには、まずはダウンロードしたファイル内にあるPDFファイル(マニュアル)を参照してください。そこには、RSPを使った具体の画像処理に関する操作方法が記載されています。マニュアルを読んで、RSPに興味があった場合のみ利用してください。
 (RSPがいらなくなった場合は、RSPソフトウェアを収録しているフォルダを削除するだけです。)
 当サイトは、RSPの使用方法等について紹介します。
 なお、RSPの主な機能は当サイトのメニュー「ソフトウェア」にも記載しています。

 RSPの機能の一部を以下に紹介します。


◆フォーマット変換

 衛星画像データをビットマップファイルやRAW(ヘッダ無し汎用フォーマット)ファイルに変換できます。また、2バイトRAWファイルを4バイト実数のRAWファイルに変換する等、RAWファイル間の変換やエンディアン変換も行うことができます。
 また、GeoTIFFコードデータを抽出・保存することもできます(後で、簡単にGeoTIFFを作成するときに使用します)。



◆GeoTIFF作成(保存)

 RSPでの画像の保存は、ビットマップ、RAW(ヘッダ無し汎用フォーマット)の他、TIFF、GeoTIFFで保存することができます。
 例えば、GeoTIFF→RAW(またはビットマップ)→GeoTIFFという画像変換(画像作成)ができます(元のGeoTIFFからGeoTIFFコードデータを取り出し、RAW(またはビットマップ)からGeoTIFFに変換するときに、GeoTIFFコードデータを付与することでGoeTIFFを作成することができます)。
 言い換えれば、簡単にGeoTIFFファイルを作成することができます。
 作成できるGeoTIFF(TIFF)は、8-bitモノクロ画像、24-bitカラー画像、16-bitのUnsigned_integer画像、32-bitのFloting-point画像です。


◆TIFFとGeoTIFFの内容(コード)の表示

 TIFFコードの内容、ならびにGeoTIFFコードの内容をテキストファイルに出力することができます。出力したテキストファイルを開くことにより、その内容を見ることができます(GeoTIFFのタグデータを見ることができます)。


 <TIFFコード出力表示例>


 <GeoTIFFコードデータ出力表示例>


◆画像表示

 通常の画像表示に加え、別画面で部分拡大表示や画像全体を表示する(全体表示)ことができます。部分拡大表示は、画像の一部だけを詳細に見たい場合に使えます。また、全体表示は、表示画像のナビゲーションとして利用することができます。
 また、1つのコンピュータ上でRSPを複数起動することで、同時に複数の画像の画面を表示することができるます。これにより、複数画像を使った比較検討が行えます。



◆DN表示

 クリックした場所を含む周辺の表示画像の数値を見たい場合に使用する機能です。これとは別に、表示領域を指定することで、その範囲の数値データをCSV形式で抽出し、エクセル等で見ることもできます。



◆表計算ソフトとの連携

 上記のとおり、画像データを任意の領域あるいは画像全体をCSV形式で出力(保存)することができます。また、CSV形式のデータをBMPまたはRAW形式、さらにはGeoTIFFとして画像化することができます。
 (画像データを表計算ソフト(MS-Excel等)で解析することができます。また、表計算ソフトで解析したデータをBMP、RAW、GeoTIFF(8-bit char, 16-bit Unsigned int, 32-bit Float)画像に変換・表示することができます。)


 CSV(エクセルデータ等)のBMP等(画像)への変換は、メニュー「ファイル」→「フォーマット変換」→「CSV」で行うことができます(下記参照)。さらに、画像(BMPまたはRAW)に変換したデータは、GeoTIFFに変換することができます。



◆2画像比較表示

 同じ領域を写した2つの画像(数値)を比較する場合に使用します。クリックした場所の座標と双方のDN、または1次関数で求めた値を表示することができます。

 表示画面の大きさは、ユーザーが任意で変更できます(大画面表示で2つの画像(数値)を比較検討することができます)。



◆画像間の相関図表示

 2つの画像の相関図を描きます。また、画像間の回帰分析を行うことができます(回帰分析の有無の設定は、メニュー「システム」→「回帰分析設定」で行います)。



◆最尤法分類

 最尤法による画像分類により、土地被覆分類画像等を作成することができます。

 Landsat-8の16ビット画像(7741ピクセル×7891ライン)を、最尤法によって8クラスに分類した結果を以下に示します。画像右下の白色は雲です。(掲載画像は、1/100に縮小しています)
 最尤法による分類画像作成方法は、こちらに記載しています。



◆教師なし分類

 教師なし分類により、教師データを抽出することなく、自動的に土地被覆分類画像を作成することができます。

 Landsat-8の16ビット画像(7741ピクセル×7891ライン)を、RSPを使って12クラスに自動的に分類した結果を以下に示します。(掲載画像は、1/100に縮小しています)
 K-means法による教師なし分類画像作成方法は、こちらに記載しています。



◆主成分分析

 最大7画像を対象に、主成分分析を行い、第1主成分画像、第2主成分画像、第3主成分画像を作成することができます。

 Landsat-8の16ビット画像(7741ピクセル×7891ライン)のバンド2、3、4、5、6の5バンドに対して作成した第1主成分画像、第2主成分画像、第3主成分画像に、それぞれ青色、緑色、赤色を配色したカラー合成画像を以下に示します。(掲載画像は、1/100に縮小しています)



◆パンシャープン画像作成

 3つのバンドの画像(カラー画像)と、1つの高分解能パンクロ画像を使って、パンシャープン画像を作成することができます。

 Landsat-8(16ビット画像)のバンド2、3、4(地上分解能30m)と、バンド8(地上分解能15m)を使って作成した皇居周辺のパンシャープン画像(トゥルーカラー、地上分解能15m)を以下に示します。(掲載画像は、2倍に拡大表示しています)
 パンシャープン画像の作成方法は、こちらに記載しています。



◆マルチ・レベルスライス処理

 マルチ・レベルスライス処理による分類画像を作成することができます。また、レベルスライス後において、指定する矩形領域の分類結果のピクセル数を集計することができます。


◆DEM編集

 国土地理院提供のDEMデータ(数値標高モデルデータ)からDEM画像を作成することができます。また、DEMを任意のメッシュサイズに編集したり、傾斜角画像や斜面方位画像等を作成することができます。DEMと衛星画像等を重ね合わせることで、別ソフトにより鳥瞰図を作成することができます。



◆プロファイル表示

 画像に対し、任意の線分のRGBプロファイル(グラフ)を表示することができます。データはCSV出力できるため、他のグラフ表示ソフトを使ったプロファイル作成もできます。




RSPで扱うことができるファイル形式は、次図のとおりです。



『RSP』使用上の注意点

【TIFF、GeoTIFFの取り扱い】
 RSPでは、TIFFファイルおよびGeoTIFFファイルは、はじめに、メニュー「ファイル」→「フォーマット変換」で、BMPまたはRAWファイルに変換してから使用します。
 しかしながら、圧縮されたTIFF(GeoTIFF)ファイルならびにタイル形式のTIFF(GeoTIFF)ファイルは、RSPでは、直接、フォーマット変換することができません。
 この場合、画像編集ソフトの「GIMP」(メニュー「名前を付けてエクスポート」)または「Adobe Photoshop」(メニュー「別名で保存」)を使って、一旦、非圧縮かつ非タイル形式のTIFFに変換してから使用してください。なお、GeoTIFFのGeoTIFFコードデータについては、RSPで表示したり、RSPを使って画像処理後の画像データ(BMPまたはRAW)からGeoTIFFを作成することができます。

 「GIMP」を使って、圧縮形式かつタイル形式のGeoTIFFを、非圧縮かつ非タイル形式のTIFFに変換する例を以下に示します。

 圧縮されたタイル形式のLandsat-8バンド5データ(ファイル名:LC08_L1TP_107035_20181102_20181115_01_T1_B5.TIF)を例に示します。

 「GIMP」を起動し、ファイル名「LC08_L1TP_107035_20181102_20181115_01_T1_B5.TIF」(圧縮形式かつタイル形式のTIFF)を表示します。



 次に、メニュー「ファイル」→「名前を付けてエクスポート」をクリックします。



 ここで、エクスポートするファイル名を指定します。ここでは、例として、ファイル名の最後に「a」を付け加えたファイル名(LC08_L1TP_107035_20181102_20181115_01_T1_B5a.TIF)とします(下記画面の上側で指定)。
 元ファイルのGeoTIFFコードデータを活用するため、決して上書きしない(同じファイル名にしない)でください。



 次に、圧縮方法の指定画面が表示されます。ここでは、「圧縮しない」を指定し、「エクスポート」ボタンをクリックします。



 以上の結果、非圧縮かつ非タイル形式のTIFFになります。

【注意点】
 非圧縮かつ非タイル形式のTIFF画像は、元の画像(圧縮、タイル形式のTIFF画像)とは、別のフォルダに移動して使用してください。
 また、GeoTIFFコードデータは、元のGeoTIFFが持っているため、RSPにおいてGeoTIFFコードデータを活用する場合(RAW等をGeoTIFFで保存する場合)は、元のGeoTIFFファイルを使用します(「GIMP」でエクスポートしたTIFFは、元のGeoTIFFコードデータを保持していません)。

 GeoTIFFのGeoTIFFコードデータならびにその活用について、メニュー「講座」→「GeoTIFF作成」に記載しているので、参考にしてください。


『RSP』ダウンロード・解凍、起動方法、言語設定方法

【ダウンロード・解凍】
 まずはじめに、ダウンロードしたZIP圧縮ファイルを解凍します。
 解凍後、フォルダ内の「readme_ja.txt」ファイルの内容を確認してください。
 RSPは、インストールせずに使用することができます。解凍したフォルダを適当なところへ移動して使用してください。


【起動方法】
 「RSP」フォルダのうち、起動ファイルは「RSP.exe」です。
 RSPの起動は、この「RSP.exe」をダブルクリックします。通常は、ディスクトップにショートカットを作成し、そこからRSPを起動します。ショートカットの作成方法は、次のとおりです。
 「RSP.exe」にマウスカーソルを置き、右クリックします。
 次に、表示されたメニューから「送る」→「ディスクトップ(ショートカットを作成)」を選択します。すると、ディスクトップ上に「RSP.exe − ショートカット」が表示されます。
 RSPを起動するには、このディスクトップ上のショットカットをクリックすることで起動することができます。


【言語設定方法】
 はじめてRSPを起動すると、画面上に「Language」フォームが表示されます。
 ここでは、表示言語を設定します。日本語表示を選択する場合は、「Japanese」を選択し(初期設定は日本語が選択されています)、「OK」ボタンをクリックします。
 するとRSPのメインフォームが表示されます。
 後で言語を変更する場合は、「RSP_Language.exe」をダブルクリックしてください。上記のフォームが表示され、言語を再設定することができます。

『RSP』の利用マニュアル

 RSPの利用マニュアルは、RSP起動後のメインフォームのうち、上段にあるメインメニューの「ヘルプ」→「マニュアル」を選択すると表示されます。
 マニュアルは、言語設定が日本語を選択したときのみ表示されます。
 なお、RSPを起動しなくても、マニュアルを見たい、あるいは印刷して使用したい場合は、「manual_ja.pdf」を開いてください。

『RSP』ダウンロード

 最新版のRSPのダウンロードは、こちらから(RSPダウンロード)

『RSP』使用方法に関するお問い合わせ窓口

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