エッジ抽出・フィルタについて説明します

エッジ抽出・フィルタ

エッジ抽出の概要

 エッジ抽出は、色調の異なる境界部分を抽出する処理のことをいいます。

 具体の処理は、対象画素とその周辺画素のDN値に対して、フィルタ処理を施すことによりエッジを抽出します。

 フィルタの違いにより、様々なエッジ抽出処理があります。

 シュードカラー画像を対象に、エッジ抽出処理を行った例を以下に示します。

edge


メディアンフィルタ

 メディアンフィルタ処理は、一般に画像のノイズ除去処理として用いられる手法です。

 使用するフィルタは、9画素(3×3)です。

 メディアンフィルタ処理は、3×3画素の領域内において、DN値の上位から5番目の画素のDN値を、その中心のDN値とします。


グラディエント(差分)

 差分によるエッジ抽出です。

 エッジの強さを表す式は、次のようになります。

  エッジの強さ = sqrt(fx×fx+fy×fy)

  ここで、sqrt:平方根

 差分フィルタ(2×2画素)は、次のとおりです。

filter fx

filter fy


グラディエント(Roberts)

 Robertsフィルタによるエッジ抽出です。

 エッジの強さを表す式は、次のようになります。

  エッジの強さ = sqrt(fx×fx+fy×fy)

  ここで、sqrt:平方根

 Robertsフィルタ(2×2画素)は、次のとおりです。

filter fx

filter fy


グラディエント(Prewitt)

 Prewittフィルタによるエッジ抽出です。

 エッジの強さを表す式は、次のようになります。

  エッジの強さ = sqrt(fx×fx+fy×fy)

  ここで、sqrt:平方根

 Prewittフィルタ(3×3画素)は、次のとおりです。

filter fx

filter fy


グラディエント(Sobel)

 Sobelフィルタによるエッジ抽出です。

 エッジの強さを表す式は、次のようになります。

  エッジの強さ = sqrt(fx×fx+fy×fy)

  ここで、sqrt:平方根

 Sobelフィルタ(3×3画素)は、次のとおりです。

filter fx

filter fy


ラプラシアン(4近傍)

 4近傍のラプラシアンフィルタによるエッジ抽出です。

 当処理は計算上、正負の値が出現します。このため、エッジ強度を絶対値(負の値は、正値として表示)で表す場合があります。

 4近傍のラプラシアンフィルタ(3×3画素)は、次のとおりです。

filter


ラプラシアン(8近傍)

 8近傍のラプラシアンフィルタによるエッジ抽出です。

 当処理は計算上、正負の値が出現します。このため、エッジ強度を絶対値(負の値は、正値として表示)で表す場合があります。

 8近傍のラプラシアンフィルタ(3×3画素)は、次のとおりです。

filter


Lee-Sigmaフィルタ

 SAR画像データのスペックルノイズ除去等に用いられるフィルタです。

 Lee-Sigmaフィルタの計算は、次のように行います。

(1)局所領域内(例えば3×3ピクセルの領域)の中心ピクセル値が平均値であると仮定します。

(2)局所領域内の標準偏差σを求めます。

(3)その領域内を対象に、中心ピクセル値±ある領域(一般に、2σ)の範囲内に入るピクセル値のみを使って平均値を算出します。

(4)算出した平均値を中心ピクセルの値として置き換えます。