色調補正処理(明るさの補正処理)は、通常、簡単に処理できることからリニア・エンハンスメント処理が使用されています。 ただし、リニア・エンハンスメント処理では、ピクセル値の高い部分の違いや、反対にピクセル値の低い部分の違いを明確にすることができません。 また、ピクセル値の最小値と最大値を変えることなく、画像全体を明るく表示したり、暗く表示したい場合には、リニア・エンハンスメント処理では対応できません。 このような問題を解決する方法として、ガンマ補正処理が使われます。 ガンマ補正の変換式は、ピクセル値の最小値が0、最大値が255の場合、以下のようになります。 Y=255(X/255)(1/γ) ここで、 Y:ガンマ補正後のピクセル値 X:ガンマ補正前のピクセル値 γ:ガンマ補正値 【γの値が、1より小さい場合の特徴】 ・画像全体が暗くなる。 ・ピクセル値の高い部分の違いが強調される。 【γの値が、1より大きい場合の特徴】 ・画像全体が明るくなる。 ・ピクセル値の低い部分の違いが強調される。 以下に、γ=0.5の場合、γ=0.8の場合、γ=2.0の場合の補正曲線を示します(横軸:X、縦軸:Y)。 また、Landsat-8のトルーカラー画像に対して、画像処理ソフト「RSP」を使って、γ=1.0の場合(ガンマ補正しない場合)、γ=0.8の場合、γ=2.0の場合の画像を示します。 なお、「RSP」でのガンマ補正処理は、メニュー「色調」→「色調補正」で行います。 【γ=1.0の場合】(ガンマ補正しない場合) 【γ=0.8の場合】 画像全体が暗くなります。 【γ=2.0の場合】 画像全体が明るくなります。ピクセル値の低い水域の違いが、よりはっきりと見えます。