リモートセンシング 講座
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反射率(大気上端)反射率(大気上端)への変換方法 衛星データのDN(デジタル・ナンバー)は、画像として見るには良いですが、画像を解析するにはDNを反射率に変換する必要があります。
1.輝度への変換 【ALOSの場合、Terra/ASTER、GeoEye1の場合】
L = a・DN+b ここで、
式から分かるように、DNを輝度に変換するにはゲインとオフセットを知る必要があります。
【WorldView-2の場合】 DN(qのこと)を輝度に変換する式は、次のようになります。 L = absCalFactor・q/Δλ ここで、
absCalFactorと、Δλは、データを入手したときにテキストファイルに記載されています。 【WorldView-3の場合】 DNを輝度に変換する式は、次のようになります。 L = GAIN・DN・(absCalFactor/Δλ)+OFFSET ここで、
absCalFactorと、Δλは、データを入手したときにテキストファイルに記載されています。 GAINは、以下のとおりです。 Pnchromatic:0.923
OFFSETは、以下のとおりです。 Pnchromatic:-1.700
2.大気上端反射率への変換 輝度を反射率に変換する式は、次のようになります。 ρ = (L・π・d2)/(Esun・cosθ) ここで、
また、Esunは、衛星およびセンサによって異なります。
ALOS AVNIR-2
この式から分かるように、輝度から反射率を求めるには、地球太陽間距離dと太陽天頂角θを知る必要があります。 太陽天頂角は、ALOSの場合は、リーダファイルのシーンヘッダに記載されている太陽仰角(太陽高度)、あるいはサマリ情報ファイル(summary.txt)に記載されている太陽仰角から、以下の式により求めることができます。 太陽天頂角 = 90度 − 太陽仰角 また、地球太陽間距離d[単位:AU]は、イメージ撮影日(世界標準時)から以下の式で、Julian Dayを求めます。 year=観測年(西暦)、month=観測月、day=観測日、UT=観測時=hour+minute/60+second/3600 ただし、monthが、1月または2月の場合、year=観測年-1、month=観測月+12 を用いる。 Julian Day(JD)は、上記の year、month、day、UTと、下記のAおよびBより、次のように求められます。 A=int(year/100) B=2−A+int(A/4) JD = int{365.25☓(year+4716)}+int{30.6001☓(month+1)}+day+UT/24+B−1524.5 この値が、紀元前4713年1月1日の正午からの日数(JD)になります。 「US. Naval Observatory」によると、このJDから地球太陽間距離は、次式で求めることができます。 D=JD−2451545.0 g=357.529+0.98560028☓D ・・・・単位:度 gをラジアン単位にするには、g=g☓π/180度 よって、地球太陽間距離d [AU] は、 d=1.00014−0.01671☓cos(g)−0.00014☓cos(2☓g) 地球太陽間距離のエクセルの計算ファイルは、ここからダウンロードできます。 当サイトでは、ALOS衛星AVNIR-2のリーダファイルからAVNIR-2反射率計算パラメータ表示するフリーソフトを提供しています。 なお、当サイトで紹介しているリモートセンシング画像処理ソフトRSPは、32ビット(float)RAWファイル画像を取り扱う(上記の演算処理ができるとともに作成した画像を表示する)ことができます。RSPにおいて、ビットマップファイルをRAW(float)ファイルに変換する方法は、メニュー「RSP」→「RSP Q&A」の「放射輝度、反射率」を参照してください。 Landsat-8における反射率への変換方法Landsat-8では、16ビットのQcal(デジタル・ナンバー)を以下の式を使って、反射率に変換します。 ρλ = (Mρ・Qcal+Aρ)/cos(90°−θSE) ここで、ρλ:反射率(%) Qcal:デジタル・ナンバー Mρ:乗数 Aρ:加数 θSE:太陽高度(度) 詳しくは、Using the USGS Landsat 8 Productを見てください。 各値は、データをダウンロードしたときのテキストファイルに記載されています。 Landsat-8を例として、RSP を使った反射率変換方法を以下に記載します。 具体の反射率への変換方法は、Landsat-8画像を見てみように記載しているため、参考にしてください。 ----------------------------------------------------------- 【変換式を使って求める場合】 1.TIFFファイルをRAW(16ビット)ファイルに変換する メニュー「ファイル」→「フォーマット変換」→「TIFF(GeoTIFF)」→「16bit→RAW(unsigned int)」でRAWファイルに変換します。 2.RAW(unsigned int)ファイルをRAW(float)ファイルに変換する メニュー「ファイル」→「フォーマット変換」→「RAW」→「RAW(unsigned int)→RAW(float)」で、変換します。 3.Qcalを反射率に変換する メニュー「ツール」→「float処理」→「演算」→「=a*(A)+ b」で、aの値にMρを、bの値にAρを入力します。 次に、メニュー「ツール」→「float処理」→「演算」→「=a*(A)+ b」で、aの値に(1÷sin(θSE))を、bの値に0(ゼロ)を入力します。 4.ゼロ以下、1以上の値を修正する 反射率の範囲は、理論上、0から1までの数値です。しかし、上記の変換式で、ゼロ以下の値や、1以上の値が求まる場合があります。 このため、ゼロ以下の値をゼロに、1以上の値を1に補正しなければなりません。 この補正処理を「ピクセル値変更」処理を使って行います。 メニュー「ツール」→「float処理」→「編集」→「ピクセル値変更」で、マイナス領域(範囲)のデータを0にします。 続けて、メニュー「ツール」→「float処理」→「編集」→「ピクセル値変更」で、1以上のデータを1にします。 以上の処理を経て、Landsat-8のデジタル・ナンバーを反射率に変換することができます。 ----------------------------------------------------------- 【RSPの専用機能で求める場合】 1.TIFFファイルをRAW(16ビット)ファイルに変換する メニュー「ファイル」→「フォーマット変換」→「TIFF(GeoTIFF)」→「16bit→RAW(Unsigned int)」でRAWファイルに変換します。 2.RAW(unsigned int)ファイルを反射率画像(RAW,Float)ファイルに変換する メニュー「ファイル」→「ツール」→「Landsat-8(RAW,unsigned int)→反射率」で、Mρ、Aρ、太陽高度(太陽仰角)(度)の値を入力し、出力先として「Float」を選択し、「作成」ボタンを押します。 「1.」で変換したRAWファイルを選択し、次に、保存先ファイル名(反射率画像ファイル名)を入力します。 これにより、Landsat-8のデジタル・ナンバーを反射率に変換することができます。なお、「2.」の処理は繰り返し行うことができます。 また、反射率画像(RAW,Unsigned int)ファイルに変換する場合は、上記「2.」の出力先選択として「Unsigned integer (*10000)」を選択します。 「*10000」は、反射率(最大値:1)を10000倍した値で出力する(最大値:10000)という意味です。 Copyright (C) 2009- Aoyama All Rights Reserved.
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